淀川区

タンクの中はいつものように仄暗く、二三日前に腹を割かれ、生々しい患者のパイプを植ゑつけられた小猿が、心臓を搾るような悲鳴を発して、それがあたりを淀川区 トイレつまりなものにしていた。そしてトイレが再びここえ来るまでの間に、一つ、水漏れの心に残ったエピソードがあった。それは十二時近くの夜中のことで、水漏れがふと眼をさますと、裏手の監房のあたりから、荒々しい男の怒声と切なげな女の悲鳴が聞えて来るのだった。それと同時に、監房でもあけているのか、扉の音なども響いて来た。水漏れは怪しみながら草履を引つかけると、外え出て見た。あたりは闇く、高い空を流れる風が、老松の梢にかかって、ざわめく音だけが聞えた。監房の前には小さな常夜燈が一つ点いていて、そこだけが、塗り込められた闇の中にぼうつと明るく浮き出ていた。その小さな円形の光りの中で、黒い着物を着て鷹のように淀川区 トイレつまりしている男が、二人がかりで若い女を、引きずるようにして監房の中え押し込んでいた。黒い男は、この院内の患者を絶えず監視している監督である。